認知症:夕暮れ症候群
名古屋老人ホーム・介護施設紹介センター・ハローケアの兼松です。
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認知症の症状はさまざまですが、施設や病院でよくみる帰宅願望についてのお話です。
帰宅願望は認知症の周辺症状の一つですが、帰るといって話を聞いてくれなかったりいった感じで対応が大変なイメージがあり、正直プラスのイメージはわきません。しかし、認知症という病気だからじゃなくてその人にフォーカスしてみてみると愛おしいと思える部分があると思いますし、理解ができます。
今回は夕方になると帰宅願望が出る、『夕暮れ症候群』にフォーカスします。
介護施設や自宅にいるお年寄りが夕方になると「家に帰りたい」と言い出したり、実際に施設や家を出て行ってしまうことがあります。
これは帰宅願望と言う症状であり、「夕暮れ症候群」、「夕方症候群」などとも呼ばれています。
なぜ夕方に?
こんなことが考えられます。
1、外が暗くなる×認知機能の低下 = 不安
認知症の中核症状(記憶障害、見当識障害)によって、今いる場所がどこなのか、なぜ自分がここにいるのか、今は何時なのか、分からない状態が考えられます。これは、本人にとってとても不安でストレスを感じる状態です。そこに、日が暮れて辺りが暗くなるという物理的な外部環境が加わると、更に不安感は大きくなります。そのことが気持ちをソワソワさせる原因の1つだと考えます
2、夕方は忙しいという昔からの習慣
普通の生活では夕方は忙しい時間ですよね。サラリーマンならば仕事を終え帰宅する時間でしょうし、主婦であれば子供や家族が帰ってくるので食事を準備する時間です。昔からの習慣は、認知症になってもなくなりません。「こんな見ず知らずの場所でのんびりしている場合じゃない」と思うのは当たり前のことのように思います。
興味深いですよね。認知症は認知機能が低下しても昔のことは忘れていないから、いつまでも母親だったり、父親なんです。子供のために帰る気持ちは薄れていない。
3、周囲のせわしない空気が伝染する
特に病院や施設では、申し送りに向けて夕方から忙しくなります。デイサービスでは送迎の時間になり、職員があわただしく出入りします。訴えに対してゆっくり対応ができない時間帯になります。
ただ、家に帰りたいとは限らないケースもあります。認知症の症状によって、できていたことができなくなり、現実を受け止めきれず、頑張って働き、輝いていたあの頃に帰りたいのかもしれないときもあると思います。
もし、帰宅願望が表れている家族様が施設を検討している場合。施設見学の際にこんな対応をしているスタッフがいる施設は注意しましょう。
帰宅願望が出ている方にはこの対応はまずいです。
〇本人の主張を否定する
〇「帰れない」という言葉を使う
〇強い口調で対応する
〇本人に理解できないような説明で訴えを封じる
〇ろくに訴えを聞かず、放置する
逆にこんな対応しているところは認知症ケアの基本を理解しているのではないでしょうか
〇いったん本人の気持ちを受け止める
〇「帰れない」という言葉は使わない
〇ここに居てほしいことを伝える
〇その人の好きなものや趣味の話に興味を向ける
〇安心できる居心地いい環境を整える
見学時間も夕方の時間帯に設定し、こういった対応ができるか見てみるのはいかがでしょうか?
名古屋老人ホームではカウンセリングし、施設をご提案し、見学のご希望が出た場合、見学スケジュールを調整してスムーズなご案内を行っています。ご気軽にご相談ください。
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