肺炎って何?風邪との違いは?
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肺炎って何?風邪との違いは?
昨今、新型コロナウイルスが猛威をふるっておりますが、皆様体調にはお変わりありませんでしょうか?
新型コロナに関係なく、毎年冬~春にかけて、肺炎でご入院される方を支援することが多いです。
高齢者だと肺炎になりやすい、風邪から肺炎になりやすい とよく言われますが、果たしてそれは正しいのでしょうか?
今回は、その「肺炎と風邪」についてお話していきます。
風邪とは?
詳しくはウイルス性肺炎のところでお伝えしますが、風邪のほとんどは「ウイルス」によって引き起こされます。
そのため風邪の後に肺炎が引き起こされたり、同時に引き起こされたりすることがあります。
主な違いとしては炎症部分で、風邪は「上気道」の炎症、肺炎は「肺」の炎症であると覚えていただくとよいかと思います。
※読んで字のごとくですが、気管支での炎症を気管支炎と呼びます。
肺・気管支・上気道はつながっているので「風邪と肺炎はイコールでないが密接な関係がある」といってよさそうです。
肺炎とは?
肺炎はその名の通り、肺(より詳しく言えば肺胞や間質)の炎症のことです。
原因としては
①細菌(細菌性肺炎)
②ウイルス(ウイルス性肺炎)
③微生物(非定型肺炎)
の3つです。
細菌性肺炎とは?
肺炎球菌・黄色ブドウ球菌など、「細菌」が原因となるものです。
症状としては発熱・咳・濃いたんが主で、重症化すると呼吸困難・意識障害・チアノーゼ(うっ血のように皮膚が青紫に変色してしまう現象)があります。
細菌には抗生物質が有効なので、病院で薬をもらうことで症状を抑えられる可能性があります。
※余談ですが、よく聞く「MRSA」はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌といって、抗生剤(ペニシリン)に耐性をもった黄色ブドウ球菌のことです。抗生剤が効きにくいため重症化しやすく、治療にもより強い薬を使う必要があります。
ウイルス性肺炎とは?
インフルエンザウイルス・コロナウイルス・麻疹ウイルスなど、「ウイルス」が原因となるものです。
ご存知のように、風邪の原因もこのウイルスであることが多いです。
症状として発熱・咳という点では細菌性肺炎と同じですが、ウイルス性肺炎ではたんがでにくく、39℃以上の高熱や倦怠感があり、咳も細菌性肺炎の場合と比べると激しいというのが特徴です。
ウイルス全体に効く薬品はなく、抗インフルエンザウイルス薬や抗麻疹ウイルス薬というような1対1の薬が開発されています。
※今回発見された新型コロナウイルスは、以前に流行したSARSやMARSとは別もののため今のところ特効薬がありません。(⇒詳しくはこちらからご確認いただけます)
非定型肺炎とは?
マイコプラズマ・クラミジアなど「微生物」が原因となるものです。
マイコプラズマは、子供のころにかかったことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
症状としては熱・咳です。ただし、咳は喘息(ぜんそく)のような乾いたもので回復に向かうにつれて湿った咳(たんが絡む通常の咳)にかわっていきます。
感染力が強いため学校や職場では出席(出勤)停止になることが多いですが、一般的に抗生物質が効くので病院で薬をもらうことで症状を抑えられる可能性があります。
いかがでしたでしょうか?
高齢者が重症化しやすい「肺炎」は、風邪から引き起こされるものもあればそうでないものもあります。
高齢者では熱がでないこともあるため、近くの高齢者が普段と比べて食欲がない・元気がない と感じる場合はなるべく早く病院を受診することをおすすめします。
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